モグラは地中にトンネルを作って生息し、人の目には滅多に触れることはないですが、畑を荒らす害獣として人間から良く思われていません。
人間から良く思われない害獣といえば、ネズミもよく耳にします。
また、モグラの穴をネズミが占拠して、農作物を実際に食い荒らすとも聞いています。
ネズミは、モグラの仲間でしょうか。
ほかにもモグラの仲間はいるのでしょうか。
調べてみます。
分類によるモグラの仲間
モグラはトガリネズミ目のモグラ科に分類される様で、トガリネズミ目に分類される個体は、おおよそ「モグラの仲間」といえそうです。
【トガリネズミ目】
トガリネズミ目は、3種類に分類される様です。
この種類は、モグラに近いということです。
・トガリネズミ科
・モグラ科
・ソレノドン科
トガリネズミ科
●ジネズミ:地鼠
土の軟らかい場所に巣穴を掘って住処とし、主に餌を捕るために外に出てくるなど、巣穴と外を行ったり来たりしている様です。
韓国は済州(チェジュ)島と日本にしかいないそうで「純日本固有種」といわれ、南方(九州や四国など)産は、大型の亜種で「サイゴクジネズミ」と別名があるそうです。
●カワネズミ:河(川)鼠
泳ぎが得意で潜水もできるそうで、手には水かきがあるそうです。
数は少な目ですが、山の斜面の渓流に生息している様です。
時々、養殖場のマスを荒らしにくる様で、人間にとって害獣となっているということです。
●エゾトガリネズミ:蝦夷(エゾ)トガリ鼠
日本国内では北海道にだけ生息し、林や草地に住処が多い様です。
特に、落ち葉がたくさん落ちる場所や、その落ち葉が少し腐葉土になりかけた場所を好む様です。
オオアシトガリネズミとよく似ているそうです。
●オオアシトガリネズミ
日本国内では北海道にだけ生息し、林や草地に住処が多い様です。
特に、落ち葉がたくさん落ちる場所や、その落ち葉が少し腐葉土になりかけた場所を好む様です。
地中にトンネルを作って生息している様です。
餌も、トンネルの中で探すそうです。
なかなか生きた姿を見つけることが難しく、天敵に襲われて命を落とした個体なら、林道などで見かけるらしいです。
●ヒメトガリネズミ
日本国内では北海道にだけ生息し、林や草地に住処が多い様です。
地面の中には潜らず、外で生活しているとのことです。
・・・など
モグラ科
●センカクモグラ
尖閣諸島に生息する日本固有種で、「絶滅危惧種IA類(最も絶滅の恐れが高い)」に指定されているそうです。
人間が放ったヤギの影響で生態系が大きく崩れ、センカクモグラの住処が奪われ、ますます数を減らしているということです。
●ミズラモグラ
古いデータでは、静岡県の山に生息していると考えられている様ですが、ほとんど人目につかず「幻のモグラ」と呼ばれていて、詳しいことは収集(研究)中とのことです。
●エチゴモグラ
エチゴモグラは、新潟県の固有種の様ですが、残念なことにアズマモグラに押されて、だんだん減ってきているということです。
未だに解明されていないことの1つ、アズマモグラの繁殖期が年に2回あることですが、エチゴモグラは繁殖期が1回しかないことで、「数で負けている」という現実がある様です。
●ヒミズ
ヒミズは、日本固有種です。
モグラと違い、深いトンネルは掘ることができず、落ち葉や腐葉土の下(浅いところ)にトンネルを作り、地中と地表の両方で活動している様です。
・・・など
ソレノドン科
ソレノドンには2種類いるが、日本には全く生息していない様です。
また、その姿はジネズミに似ていますが、最も原始的で虫を主食とし、個体によってはネズミも食べるそうです。
どちらも体重は1kgほどもあり、爪先歩行(指だけで歩く)をし、真っ直ぐには走らないということです。
またモグラ科では珍しく、この種類は毒を持ち、餌となる生物を弱らせて捕まえるそうです。
驚くことは、仲間同士の連絡などを超音波で行なっていたことだそうです。
●キューバソレノドン(キューバ)
●ハイチソレノドン(ハイチ)
どちらも絶滅したと思われていましたが、日本とキューバで編成された合同調査隊がキューバ国立公園の中でその姿が確認されたということです。
まとめ
モグラの仲間といっても、日本に生息するものは日本固有や日本特産がほとんどでしたが、海外には毒を持つ最も原始的なモグラの仲間がいて、しかもその仲間同士の連絡を超音波で行なっていたことには驚きでした。
原始の時代から、自然淘汰によって現代に生息できる能力を備えたものだけが生き残る法則に従って種は存在しているということが分かりました。
どこの国のモグラの仲間にせよ、現在では絶滅危惧種に指定される種類が多く、保護に乗り出す団体があることも分かりました。