モグラは、本道のトンネルを掘り、本道から枝分かれしたいくつもの部屋を持ち、全長100mにも達する巣に暮らしています。
そのために、モグラの農作物への被害が大きく、モグラの穴にネズミが侵入するとさらに被害が拡大するということも分かりました。
ではヒミズとは、どんな生き物なのでしょう。
ヒミズとモグラ、そしてネズミの違いについて調べてみます。
ヒミズ
・ヒミズの体型はズングリしているが、モグラより小さい
・ネズミの様に、尾が長い
・穴掘りは苦手なので手は小さめで、落ち葉をかき分けたり、ごく浅い土を掘る程度
・本州から九州まで、周辺の島々を含めて広く棲む日本固有種である
・比較的低い位置(2000m以下)の林や藪中の浅い土の中や草原などの落ち葉の下などに棲む
・夜行性に思われて、実は昼間にも動くらしい
・地面を歩く場合は、日当たりの悪い場所を選ぶ
・活動周期が決まっている様子(活動と休憩を交互に取るらしい)
・雑食性哺乳動物である(地面の昆虫や植物の種や果物など)
・ほかの中型の哺乳動物や猛禽類や爬虫類などの餌となる
・繁殖時期は春が多いが、秋の種類もいる
・1回の出産では、1~5頭、6頭出産し、寿命は、3年ほどとのデータが多い
・・・など
モグラ
・モグラの体型は、ズングリしている
・鼻はとんがり、目は退化、視力はほとんどなく、耳は確認できない
・トンネルを掘るのに適した手のひらは、外に向いている
・全身には細かい毛が生え、鼻の先だけは毛がなく、尾は棒の様で短い
・北海道以外のどこにでも棲んでいるが、東と西では種類が違う
・基本的には夜行性だが、巣の中では一年中動いている
・肉食性哺乳動物である
・繁殖時期は、年に1回で、4匹程度の出産
・・・など
ネズミ
・ネズミは、大まかに分けて3種類いる(ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ)
・どの種類もズングリしていて特徴も共通点が多いので、種類を見分けるのが難しい
・ほとんどが夜行性で、人間が寝静まった時間に活動が活発になる
・日本中どこででも増えて、民家や畑など、あらゆる場所に現われる
・ネズミは雑食性哺乳動物である
・ネズミの前歯は一生伸び続けるので、固いものをかじり続けなければ、命を落とす場合がある
・繁殖する能力は高く、一度の出産で6匹以上も産む(野ネズミの場合は、繁殖時期は年6回ほど)
・大人になるのは3~4週間と短く(速く)、直ぐさま繁殖できる
・・・など
まとめ
モグラとネズミは、一般的に広く知れ渡っていて、人間にとっての「害獣(駆除対象)」の様でしたが、ヒミズは、まだまだ謎が多くデータが不足していました。
体型だけを考えた場合は、3種類とも、ズングリしているので目の前を速く動かれたら、見分けがつかないそうです。
現在までに分かっていることから、ヒミズは、モグラとネズミの両方の機能を持ち、ネズミと同じ雑食性で、人目を避けて暮らしているということ。
また、ヒミズの亡骸(ナキガラ)には悪臭があり、ほかの動物の餌になりにくく、そのせいで登山などではよく人目につくということでした。